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この記事では

  • Slackのデータをバックアップする方法とは
  • Slackのインポート・エクスポートツールの使用
  • 保存ポリシーを使用してSlackのデータをバックアップ
  • 訴訟ホールド機能でSlackのデータをバックアップ
  • サードパーティ製バックアップツールを使ってSlackのデータをバックアップ
  • Slackの機能(インポート/エクスポート・保持ツール・訴訟ホールド)とSysCloudとの比較

Slackのデータをバックアップする方法

30 Mar 2022
読了時間:5分
執筆者:Ahana

Slackは最も人気のあるビジネスチャットアプリの1つで、1,200万人以上のDAU(1日あたりのアクティブユーザー数)と15万6,000の組織がワークスペースコミュニケーションのために有料プランに加入しています。多くの企業がSlackに依存しているため、データ損失のリスクは高く、Slackのデータを定期的にバックアップすることが重要となっています。

本記事では、ユーザーがSlackのデータをバックアップするさまざまな方法について解説します。

スラックバックアップ
プロからのアドバイス

さまざまなバックアップツールを簡単に比較したい場合は、こちらの比較表をご覧ください。

Slackのデータが削除されるとどうなるのか

Slackには、ごみ箱が存在していません。そのため、ワークスペース、チャンネル、ダイレクトメッセージからデータが削除されると、永久に削除されてしまいます。Slackで共有されたファイルでさえ、メッセージの形で保存されるため、保存ポリシーや訴訟ホールドが設定されていない場合、ファイルもSlackから永久に削除されてしまいます。
さらに、Slackには削除されたデータをアーカイブしたり、復旧する機能を提供していないため、失われたデータを復旧することはほぼ不可能です。

なぜSlackのデータをバックアップする必要があるのか

  • ネイティブなごみ箱が無い:Slackにはごみ箱が機能として存在していないため、管理者にとって、削除されたSlackのデータを保持、復元することは困難なものとなります。従業員が誤って重要な情報を削除してしまうと、それは永久に削除されてしまいます。

  • ストレージの制限:Slackのフリー、プロ、ビジネスプラスの各プランでは、各ユーザーに割り当てられるのは、ファイルストレージが制限された1つのワークスペースしかありません。ユーザーは、ストレージの制限内で使用し続けるためには、古いデータを削除するか定期的にエクスポートしなければなりません。ユーザーが手動で重要なデータをローカルにエクスポートしたとしても、それをSlackに復元することはできません。また、従業員が組織を退職し、たまたまファイルの唯一の所有者であった場合、ファイルは永遠に失われてしまいます。

  • Slackの障害:SaaSの障害による機能停止は想定以上に起こりえます。2021年1月には、Slackが大規模な障害に見舞われ、その間ユーザーはSlackに接続できず、メッセージの送受信ができなくなり、チャンネルの履歴も取得できませんでした。

  • Enterprise Gridプラン向け専用機能:Slackは、Enterprise Gridプランのユーザーにのみ、高度なデータ保護機能を提供しています。プロプランとビジネスプラスプランのユーザーはワークスペースのデータを失うリスクが常にあります。また、Enterprise Gridユーザー以外、Slackのネイティブ保存機能を使用して削除されたメッセージの復元や回復ができません。

  • 復旧の制限:保存ポリシーによって保護されていないSlackデータをインポートする際、Slackは粒度の高い復元を許可していません。

Slackのデータをバックアップする方法とは

Slackのデータをバックあっっぷするさまざまな方法を解説します。
  • Slackのインポート・エクスポートツールの使用

  • 保存ポリシーを使用してSlackのデータをバックアップ

  • 訴訟ホールドを使用してSlackのデータをバックアップ

  • サードパーティ製のバックアップツールを使用してSlackのデータをバックアップ

1. Slackのインポート・エクスポートツールの使用

Slackにはネイティブのインポートとエクスポートツールがあり、ユーザーや管理者は、自分のワークスペースをローカルコンピューターやAmazon S3やDropboxのようなサードパーティのストレージにJSON形式でエクスポートできます。
プランに応じて、以下のデータエクスポートの機能が利用可能です。
エクスポートするデータフリープロビジネスEnterprise Grid

パブリックチャンネル(メッセージとファイルへのリンク)

パブリックチャンネル、プライベートチャンネル、ダイレクトメッセージ

定期的なエクスポートスケジュールの設定

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1.1. Slackのデータをエクスポートする方法

ワークスペースのオーナーと管理者は、パブリックチャンネルからSlackのデータをエクスポートできます。Slackのエクスポートツールは、法的要件の遵守を支援し、Slackを安全でセキュアな作業環境にするのに役立ちます

Slackのデータをエクスポートする方法の詳細については、こちらをご覧ください。

1.2. 制限事項

  • Slackのデータエクスポートツールは、バックアップや復旧を目的として設計されたものではありません。これは法的およびコンプライアンスのためのツールです。

  • 完全に手作業になるため、ユーザーは定期的にデータのエクスポート作業を忘れてしまうことがあります。

  • 通信環境が悪い場合、エクスポート作業が中断され、最初からやり直す必要があります。

2. 保存ポリシーを使用してSlackのデータをバックアップ

Slackの保存ポリシーは、業界規制や法的要件に準拠するために必要なデータを保持します。
管理者は、会話のメッセージ保存について以下のオプションから選択できます。
  • Slackは、すべてのメッセージとその編集および削除を保持します。

  • Slackは、すべてのメッセージを保持しますが、編集や変更ログは保持しません。

  • Slackは、管理者が設定した特定の期間経過後、メッセージと変更ログを削除します。

デフォルトでは、ファイル(オーディオやビデオクリップを含む)はワークスペースに無期限で保存されます。ファイルの保存設定を構成する際には、すべてのファイルを無期限に保持するか、または一定期間経過後にファイルを永久に削除するかを選択できます。

2.1. Slackで保存ポリシーを作成する方法

ワークスペースのオーナーとOrGオーナーは、すべてのメッセージとファイルを保管するための保存ポリシーを作成することができます。保存ポリシーは、バックアップと復元を目的として設計されたものではありませんが、Slackのデータのバックアップを取るために使用することができます。

Slackで保存ポリシーを作成する方法の詳細についてはこちらをご覧ください。

2.2. 制限事項

  • 保持ポリシーは、訴訟目的で重要なビジネスデータを保存することを目的としています。データはローカルデバイスにのみエクスポートでき、Slackワークスペースにはリストアできないため、バックアップツールとしては機能しません。

  • Slackのネイティブ保持ポリシーは、Enterprise Grid Discovery APIユーザーに対してのみ、削除または編集されたバージョンのメッセージをリストアします。

  • サードパーティ製のバックアップツールとは異なり、Slackのネイティブデータ保持には自動リカバリ機能がないため、ユーザーは手動でデータをエクスポートし、ダウンロードする必要があります。

3. 訴訟ホールド機能でSlackのデータをバックアップ

訴訟ホールドは、訴訟の際に必要となる可能性のある情報を保存するために使用します。Slackの訴訟ホールドを使用してデータを保存するには、Enterprise Gridのサブスクリプションが必要です。
コンプライアンスシステムの管理者は、特定のメンバーに訴訟ホールドを設定して、メッセージやファイルを保存することができます。ホールドが設定されている場合、保持設定やコンテンツの編集・削除に関係なく、会話内のすべてのメンバーから送信されたメッセージやファイルが保存されます。

3.1. 訴訟ホールド機能でSlackのデータを保存する方法

  • ステップ1:訴訟ホールド管理者権限のあるアカウントでSlackにログインします。

  • ステップ2:左上のワークスペース名をクリックします。

  • ステップ3:ドロップダウンメニューから「ツールと設定」を選択します。

Slackワークスペース
  • ステップ4:「オーガナイゼーションの設定」をクリックし、左サイドバーから「セキュリティ」を選択します。

  • ステップ5:「訴訟ホールド」を選択し、「訴訟ホールドを作成」をクリックします。

スラック法的保留
  • ステップ6:名前、説明、どの会話を含めるかを選択し、オプションで日付の範囲を追加して訴訟ホールドを作成します。

法的保留の作成
  • ステップ7:ホールドに含めるメンバーを選択するには、「管理者を追加する」をクリックします。

  • ステップ8:保存をクリックします。

3.2. 制限事項

  • Slackの訴訟ホールドは、訴訟のみを目的として設計されているため、バックアップツールとしては機能しません。

  • 訴訟ホールドは、チャンネルの削除を保護していません。ホールド中にチャンネルが削除された場合、そのチャンネル内のメッセージとファイルデータも削除されてしまいます。

  • 訴訟ホールド機能は、プロプランやビジネスプラスプランには搭載されておらず、最上位のEnterprise Gridプランでの利用可能です。

4. サードパーティ製バックアップツールを使ってSlackのデータをバックアップ

Slackのネイティブデータ保持機能は、バックアップやリストアを目的として設計されていないため、データのバックアップ用途としては不向きです。

SysCloudのようなサードパーティのバックアップツールであれば、Slackのデータを安心してバックアップできるように設計されています。

SysCloudを使用することで、管理者はすべてのSlackデータを.csvファイルや元のファイル形式でエクスポートするだけでなく、チャンネル、会話、スレッド、メッセージを簡単にバックアップおよびリストアすることができます。管理者は簡単にバックアップスナップショットからデータをリストアし、削除したメッセージを別のチャンネルにリストアすることができます

4.1. SlackのデータをSysCloudでバックアップする必要性とは

  • Slackのバックアップを自動化し、APIエラーを自動解決します。

  • スレッド、チャンネル、ダイレクトメッセージ、あるいはワークスペース全体をJSON形式でエクスポートできます。

  • ワンクリックでチャンネル内のスレッド、ダイレクトメッセージ、チャンネルをリストア。

  • すべてのワークスペースで、キーワードを使って会話、ファイル、チャンネル、ユーザーグループ内のコンテンツを検索できます。

5. Slackの機能(インポート/エクスポート・保持ツール・訴訟ホールド)とSysCloudとの比較

機能インポート/エクスポートツールSlack保持ポリシーSlack訴訟ホールドSysCloud
バックアップ機能
データエクスポートによるバックアップ - チャンネルメッセージ、ファイルへのリンク、ダイレクトメッセージ
ワークスペース・レベルでのデータ保持
ワークスペース・レベルでのデータ保持
複数のワークスペース、パブリックチャンネル、プライベートチャンネル、ダイレクトメッセージ、ファイル
バックアップ頻度
該当なし
該当なし
該当なし
1回 / 日 オンデマンドバックアップ
バックアップ保存期間
なし
なし
なし
設定可能

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