データ保護センター/Google Workspace/Googleサイトを保持するためのガイド

カテゴリー

この記事では

  • はじめに
  • なぜデータ保持が必要なのか?
  • Googleサイトのデータが保存されている場所はどこか
  • Googleサイトのデータが削除されるとどうなるのか
  • Vaultを使用したネイティブの保持設定
  • データ保持のルール
  • eDiscoveryホールドを利用したサイトのデータ保持
  • Google Vaultの保持とeDiscoveryは理想的なバックアップソリューションといえるのか?

Googleサイトを保持するためのガイド

29 Nov 2021
読了時間:約12分

1. はじめに

Googleサイトは、チームのウェブサイトやプロジェクトサイトを構築するのに役立つ人気のウェブサイトビルダーです。サイトには、スプレッドシートやドキュメントなど他のGoogleアプリのデータを含めることができ、デザインやコーディングの知識を必要としません。
システム管理者は、Googleがサイトデータの保護については責任を負わないということを認識しておく必要があります。人為的ミスやサイバー脅威などの事象によるデータ損失を防止するためには、保持ポリシーを設けることが不可欠です。
以下の図を使用して、特定のセクションをご覧ください。

サイト保持概要フローチャート

2. なぜデータ保持が必要なのか?

  • 誤って削除したデータの検索

    Googleサイトが完全に削除されると、保持ポリシーが設定されていない限り、そのデータは完全に失われてしまいます。データの削除と復旧を効率的に管理するためには、保持ポリシーを利用することが、ビジネスの生産性を向上させることにつながります。

  • ストレージ管理

    Google Workspaceのストレージは、Gmail、ドライブ、サイト、フォト、ドキュメントで共有されています。各ユーザーに提供される無料ストレージ容量は、選択したアカウントのタイプによって異なります。ストレージの上限に達したからといってデータを削除することを強制される事はありませんが、不要になったデータを削除する必要はあります。保持ポリシーを導入することで、必要なデータのみを保持することができ、ストレージコストを節約できます。

  • 法規制およびコンプライアンス

    医療、法務、金融などの規制業界では、特定のデータを長期間保持することが義務づけられています。例えば、サーベンス・オクスリー法では、財務文書の記録保持基準やデータ保持に関する規制が定められています。

3. Googleサイトのデータが保存されている場所はどこか

新しいGoogleサイトが作成されると、自動的にGoogleドライブに追加されます。ドキュメントやスプレッドシート、その他のGoogleアプリと同様に、サイト所有者は他の共同編集者に閲覧/編集権限を与えることができ、リアルタイムでの編集が可能になります。サイト公開時には、公開範囲を一般公開、チームや会社の特定メンバーに設定することができます。

注意:

1. Googleは、2023年1月1日から、クラシックサイトは閲覧できなくなると発表しました。サイトを引き続き閲覧するためには、2023年1月1日までに新しいGoogleサイトの形式に変換して公開する必要があります。

2. Vaultは新しいGoogleサイトでのみサポートされています。本記事で説明されている保持方法は、新しいGoogleサイトを対象に記載しております。

4. Googleサイトのデータが削除されるとどうなるのか

削除されたGoogleサイトはユーザーのゴミ箱(Googleドライブ内)に移動します。ここで30日間保持され、期間内であればユーザーは元の場所にサイトを復旧することができます。30日が経過すると、サイトはゴミ箱から失われ、ユーザーはそれを回復することができなくなります。ただし、管理者はその後の25日間は管理コンソールからサイトを復旧することができます。その期間が過ぎると、サイトは完全に削除されます。

Google Workspaceの管理者が管理コンソールから完全に削除されたファイルを復旧させる方法を知るには、こちらをご覧ください。

注意:サイトが共有されている場合、共同編集者はそれが完全に削除される前にコピーを作成することができます。

以下の図は、Googleサイトでのデフォルトのデータ保持手順と、特定の期間内にユーザーや管理者がデータを復旧させる方法を示しています。

googleサイト スイムレーン図

4.1. Googleサイトのデフォルト保持制限

  • デフォルトの保持期間で保持されるサイトは、Google Workspaceのストレージクォータにカウントされます。制限を超えた場合は、追加のストレージを購入する必要があります。各ユーザーに提供される無料ストレージの量は、選択したアカウントの種類によって異なります。

  • 図にあるように、Googleサイトのデータは30~55日の期間を過ぎると完全に削除されます。

5. Vaultを使用したネイティブの保持設定

Googleは、2021年4月から新しいGoogleサイトがGoogle Vaultに対応することを発表しました。これにより、管理者はGoogle Vaultを使用してGoogleサイトの保持ポリシーを設定し、Googleサイトのデータを検索、エクスポートすることができます。組織がGoogle Vaultを使用してGoogleドライブのファイルを保持している場合、サイトにも同様に適用されます。

Google Vault、Vaultの保持ルール、保持状態、ライセンス要件については、Google Vaultの基本に関する詳細記事をご覧ください。

以下の図は、Google Vaultで利用可能な2つのデータ保持機能の基本的な機能をまとめたものです。

サイト保管庫

5.1. データ保持のルール

Google Workspaceの管理者は、Google Vaultで次の2種類の保持ルールを設定できます:
デフォルトの保持ルール
カスタム保持ルール

Googleサイトのデータ保持を管理するために、サイト固有の保持ルールを設定することができます。デフォルトでは、サイトの保持ルールはオンになっています。サイトに対して作成されたルールがない場合、データはGoogleドライブで設定されたルールに従って保持または削除されます。Googleドライブ用のルール作成方法については、こちらをご覧ください。

デフォルト保持ルール

管理者は、特定のサービスのデータを一定期間または無期限に保持する必要がある場合に、デフォルトの保持ルールを適用します。デフォルトの保持ルールは、アカウント内のすべてのライセンスに適用され、ユーザー/組織単位/サービスに応じてカスタマイズすることはできません。

注意:Googleサイトの保持設定にかかわらず、ドライブの保持ポリシーは常にサイトにも適用されます。

Googleサイトのデフォルトの保持ルールを作成する方法

  • ステップ1:Google Vaultにサインインします。

  • ステップ2:「保持」をクリックし、次に「サイト」を選択します。

ステップ1 デフォルトの保持
  • ステップ3:「期間」で、ファイルを保持する期間を選択します。

    a. ファイルを無期限に保持するには、「期限なし」を選択します。
    b. 一定期間後にファイルを破棄するには、「保持期間」を選択し、保持が必要な日数と基準期間の開始日を入力します。

ステップ 3 デフォルトの保持
  • ステップ4:保持期間が設定されている場合、保持期間経過後にサイトに対して行う操作を選択します。

    a. ユーザーが削除したサイトのみを削除するには、最初のオプション「完全に削除されたアイテムのみをパージする」を選択します。
    b. すべてのサイトを削除するには、2番目のオプションを選択します。このルールは、削除されたサイトとドライブ内のサイトの両方を削除することができます。

ステップ 5 デフォルトの保持

ステップ5:「保存」をクリックします。

注意:サイトの保持はデフォルトでオンになっているので、「保存」をクリックする前にルールをよく確認してください。Google Vaultは、保持期間を超えたサイトを直ちに完全削除します。

カスタム保持ルール

カスタム保持ルールにより、管理者は特定の組織単位や共有ドライブに応じて保持ルールをカスタマイズできます。Googleサイトにおいては、サイトの作成日、最終変更日、削除日によって保持期間を定義することができます。

注意:

カスタム保持ルールは常にデフォルトの保持ルールより優先されます。
作成できるカスタム保持ルールの数に制限はありません。

サイトのカスタム保持ルールを作成する方法

  • ステップ1:Google Vaultにサインインします。

  • ステップ2:「保持」をクリックし、「カスタムルール」を選択し、「作成」をクリックします。

  • ステップ3:サービスで「サイト」を選択し、「次へ」をクリックします。

ステップ3 カスタム保持ルール
  • ステップ4:エンティティを選択し、「次へ」をクリックします。

    a. 特定の組織単位にルールを適用するには「組織部門」を選択します。選択した組織単位のアカウントがメンバーである共有ドライブにルールを適用したい場合は、「共有ドライブからの検索結果を含める」を有効にします。
    b. 組織内のすべての共有ドライブにルールを適用するには「すべての共有ドライブ」を選択します。
    c. 特定のアカウントで共有されている共有ドライブにルールを適用するには「特定の共有ドライブ」を選択し、該当するアカウントを選びます。

ステップ4 カスタム保持ルール
  • ステップ5:「期間」で、ファイルの保持期間を選択します。

    a. ファイルを無期限に保持するには、「期限なし」を選択します。
    b. 一定期間後にファイルを破棄するには、「保持期間」を選択し、保持が必要な日数と基準期間の開始日を入力します。

ステップ5 カスタム保持ルール
  • ステップ6:期間が設定されている場合、保持期間が終了した後のサイトに対する処理を選択します:

    a. ユーザーが削除したサイトのみを完全に削除するには、「完全に削除されたアイテムのみをパージする」を選択します。
    b. すべてのサイトを削除するには、2番目のオプションを選択します。このルールは、削除されたサイトとドライブ内のサイトの両方を削除することができます。

  • ステップ7:「作成」をクリックします。

Googleドライブのルールに従ってサイトを保持する

上記の通り、サイトの保持ルールはデフォルトでオンになっています。しかし、管理者はサイトの保持ルールをオフにして、代わりに既存のドライブのルールを使用してサイトのデータを保持することができます。
  • ステップ1:Google Vaultにサインインします。

  • ステップ2:「保持」をクリックして、「設定」タブに移動します。

  • ステップ3:サイトの横にある、「Googleサイトのルールで保持する」または「ドライブのルールで保持する」を選択します。

  • ステップ4:「保存」をクリックします。

ドライブまたはサイトのデフォルト

Google Vaultが保持できるGoogleサイトのデータは何か

GoogleサイトのほとんどのデータはGoogle Vaultを使用して保持することができますが、いくつかの例外があります。

保持対象範囲内のアイテム保持対象範囲外のアイテム
  • 新しいGoogleサイトのみ
  • 新しいサイトページ、サイトページ上のテキスト、アップロードされた画像、埋め込みコード
  • クラシックサイト
  • 外部組織から共有されたサイト
  • 埋め込みファイル、ハイパーリンク、その他サイトファイルの一部ではないアイテム

5.2. eDiscoveryホールドを利用したサイトのデータ保持

Google Vaultは、Googleドライブに保存されたファイルをホールド、検索、取得するために、eDiscovery機能を提供しています。サイトのデータは主にドライブに保存されるため、ドライブに作成されたホールドはSitesにも適用されます。サイト専用のホールド機能はありません。

注意:Googleサイトの保持ルールに関わらず、ドライブのホールドは常にサイトにも適用されます。

GoogleドライブのeDiscoveryホールドについては、こちらをご覧ください。

6. Google Vaultの保持とeDiscoveryは理想的なバックアップソリューションといえるのか?

結論から言うと、答えは「No」です。
Vaultの保持とeDiscoveryはデータを保持するために使用しますが、データバックアップソリューションとしては最適ではありません。Google Vaultは、法的および訴訟目的のために重要なビジネスデータを保存することを目的とした保持ソリューションです。さらに、クラウドバックアップツールに不可欠な、ワンクリックでの復旧、自動バックアップ、ユーザー間のメール復旧、フィッシングに対するデータインサイトなどの機能が備われていません。
Google Vaultをバックアップソリューションとは言えない理由としては以下の通りです。
  • ユーザー削除:Google Workspaceアカウントからユーザーが削除されると、ホールドがかけられていたり保持ポリシーによってカバーされていたりしても、関連するサイトのデータはすべて完全に削除されます。これは、Google Vaultがサイトデータの二次コピーを作成するのではなく、単に削除を防ぐためにデータをホールド状態に保っているからです。

プロからのアドバイス

SysCloudのようなサードパーティ製のソリューションは、削除されたユーザーや停止されたユーザーのバックアップされたサイトを追加費用なしで全て保持します。

  • リストア機能がない:Google Vaultを通じて保持されるGoogleサイトのデータはエクスポートのみ可能で、アカウントに直接リストアすることはできません。

プロからのアドバイス

SysCloudバックアップでは、管理者はボタン一つでGoogleサイトをリストアすることができます。SysCloudを利用すると、組織は個々のメールやラベルを異なるユーザーアカウントにリストアすることも可能です(クロスユーザーリストア)。

  • Googleの障害:予期せぬGoogleの障害が発生した際には、データに何時間もアクセスできなくなる可能性があります。これはビジネスの生産性に大きな影響を及ぼす可能性があります。

  • サイバー脅威:Googleサイトのデータがランサムウェアなどのサイバー攻撃の対象になった場合、Google Vaultで保持およびホールドされているデータも影響を受けてしまいます。

プロからのアドバイス

SysCloudは、バックアップに加えて、ランサムウェアやフィッシングなどの脅威からもデータを保護します。

SysCloudのようなサードパーティ製のクラウドバックアップソリューションは、データのバックアップとリストアの問題を解決するワンストップソリューションです。

注意:新しいGoogleサイトに対するAPIが利用できないため、SysCloudはクラシックサイトのみをバックアップします。

関連コンテンツ

完全に削除されたGoogleサイトを復旧する方法

公開日:2022年1月5日

読了時間:約7分

Googleドライブのデータ保持ガイド

公開日:2021年12月6日

読了時間:約15分

SaaS運用に役立つノウハウをお送りします。

スパムメールは送信しません。いつでも簡単に登録解除が可能です。

この記事では

  • はじめに
  • なぜデータ保持が必要なのか?
  • Googleサイトのデータが保存されている場所はどこか
  • Googleサイトのデータが削除されるとどうなるのか
  • Vaultを使用したネイティブの保持設定
  • データ保持のルール
  • eDiscoveryホールドを利用したサイトのデータ保持
  • Google Vaultの保持とeDiscoveryは理想的なバックアップソリューションといえるのか?

今すぐ信頼性の高いSysCloudバックアップを体験してください

SysCloudのクラウドバックアップは、データ保持やリストアに関する課題を解決し、工数およびコスト削減につながります。30日間無料で試してみる
認定資格
認定資格